こんにちは、ハトマメです。
皆さんは、米国株式、Digital Turbine (ティッカーシンボル:APPS)を、ご存じでしょうか?
アプリ自動インストール・ソフトウェアを、提供する企業です。
そこで今回は、同社の概要・特徴・顧客について解説します。
■概要
新しいスマホを購入して初めて起動したとき、そのデバイスが勝手に数個のアプリをインストールし始める。
それを行っているのがデジタル・タービンです。
大多数の消費者は「いずれアプリを一通りインストールするのだから、事前にそれらが揃っていたほうが都合が良い」と感じています。
プリ・インストールされているアプリの数が少ないと、自分の使いたいアプリを、わざわざ探してインストールする手間が面倒です。
デジタル・タービンの「ダイレクト・ツー・デバイス」、つまり、アプリ自動インストール・ソフトウェアの存在意義は、まさしくそこにあるのです。
■特徴
スマホでサービスを提供する企業は、自社のアプリを使ってもらうべく競争しなければいけません。
しかし、世の中にはすでに240万種類以上ものアプリが乱立しており、アプリ市場は飽和状態になっています。
そんな状況において、アプリの提供者が一番困っているのは、「どうやってユーザーを獲得するか」という問題です。
しかも、最近はアド・ブロッキングなどの技術が広がった関係で、自社のアプリをユーザーに訴求することがどんどん難しくなっています。
デジタル・タービンのアプリ自動インストール・ソフトウェアが注目されているのは、そのためです。
■顧客
デジタル・タービンは、主に携帯電話の会社や各種ブランドを顧客としています。
具体的には、ベライゾンやAT&T、シングテル、ジオ、グローブ、クラーロなどです。
それらの携帯電話会社の中には、AT&Tを傘下に持つタイムワーナーのように、メディア企業を所有しているところもあります。
その場合、AT&Tのユーザーが、タイムワーナーのコンテンツを優先的に楽しんでくれるよう、そのアプリをプリ・インストールするのは、ビジネス的に当たり前の経営判断と言えます。
そこでAT&Tがスマホ・メーカーと交渉する際、 「御社のスマホを取り扱うにあたり、デジタル・タービンのソフトをプリ・インストールすることを条件とする」 という風に要求するわけです。
2020年現在、デジタル・タービンのパートナー企業は40社に上ります。
すでに、サムスン、レノボ、ZTE、LG、TCLなどのメーカーは、そのようにしてデジタル・タービンのパートナーとなっています。
さらに、ターゲットやウォルマート、ウーバー、リフト、スターバックス、ユーチューブ、アマゾン、アリババ、パンドラ、アメリカン・エキスプレス、バンクオブアメリカなどのブランドも、デジタル・タービンのアプリ自動インストール・ソフトウェアを強く支持しています。
つまり、スマホという限られた画面上での「陣取り合戦」を繰り広げるにあたり、スマホが工場から出荷された時点ですでに戦いは始まっている、ということです。
そして、そのユーザー獲得競争の中心になっているのがデジタル・タービンなのです。